抱擁

三連休明けの火曜日です。
出勤の際に必ず横を通る公園の植え込みのところに紫陽花と百日紅が並んで満開になってて、その光景が視界に入るといま何月だっけな?と何度でも思ってしまう。雨が妖艶さを引き出す花と青空を誇らしく背負うのが様になる花。共演。
実家近くに濃いピンク色の百日紅の木があって毎年夏になると花を咲かせていて、間近に寄って延々と時間をかけて眺めるのが好きだった事などを職場へとてくてく歩きながら思い出したりします。ずいぶん遠くへ来たはずなのに目にする度に一瞬で戻れるのは花が持つ威力かも、と書いたけど想起する側の能力だと考える方がしっくり来た。理由を抱えるのも理屈を捏ねるのもこちら側の心であって花は変わらずにそこにあるだけなのだ。そして季節が巡る度に何度でも咲いて、見る側がそこに何かを見出す。勝手に傷付いたり救われたりもする。
視界から得られる情報は大雑把に括って夏の始まり頃なんじゃないでしょうかという回答をわたしに提示するんですけど、体感温度だけで判断するならもう今は完全に8月下旬とかそんな時期のはずです。まだ7月とか冗談も大概にしてほしい。なんだこの暑さ。お昼休みに職場からベローチェまでアスファルトの上をてくてく歩く道のりですら身の危険を感じる。昨日なんてエアコンつけてそれなりに涼しかったはずの自分の部屋に居ながらにして熱射病のような症状が出てきたりもしたし。今までにないことだったから焦りもしたけどお水飲んで身体を冷やしてしばらく寝てたら治ってくれてよかったです。これだけ暑いとなんかもう高校野球とか野外の音楽フェスとか、これまでずっと真夏の定番のように続いてきたもののありようについても考えないといけないのではないかと思わなくもない。伝統とか恒例とか言うとる場合か。


積読本を順調に消化したり仕事が地味にあわただしかったりおうち大好き人間の本領を発揮したり戦略的撤退を選択したり生放送にして長時間な音楽番組たちのおかげでポルノさんをたくさん観れて幸せな気持ちでいたり、とかが散りばめられた平穏な毎日です。酷暑日だけが唯一の敵。でもさっきツイッターで蚊は35度以上では活動できないって見かけて悪いことばかりではなかった!と思い直したところ。ちょっとだけ。
呑気ではあるけど一方で想いを馳せずにはいられないのも確かで、一刻も早く日常が戻るよう祈るばかりです。自分に出来ることを黙ってやる。